新しい時代の東京へ Reborn

区議会での発言Ward Assembly

非効率な外郭団体を改革せよ!

問題点

区の業務委託先であるサービス公社(外郭団体)は、契約単価が割高にも関わらず、民間市場を独占している。しかも、経営陣は全て役所出身者である。このことに納得のいく説明を。

改善点

サービス公社を含めた外郭団体全体の見直し案が策定され、これに基づく事業見直しが進行中。

関口発言

サービス公社の経営・財務状況を調べてみますと、赤字もなく、純資産も多額にあります。しかし、すべての事業は世田谷区からの受託業務であり、また資本回転率が非常に低い、これは収益を新しい事業に投資することがなく、ただただ資産に転化しているだけを意味します。つまり、お金の循環がなく、寝かせてしまっているのです。よって株式会社といっても、区が委託をやめてしまえばつぶれてしまいます。サービス公社とはもうけたお金を単にためるためにつくった会社なのでしょうか。何のためにつくったのか、設立趣旨は何なのか、私は以下のように考えます。  世田谷サービス公社は外郭団体ではありますが、株式会社という形態をとっております。あえて株式会社にしたのは、ややもすれば前例踏襲主義で硬直化した行政サービスを打開するための一つの手段として、サービス公社というものをつくり、株式会社化することによって、民間的発想に基づいたサービスを生み出してくれることを期待したからではないでしょうか。また一方で、文字どおり公社という公の側面もあわせ持つことによって、行政と民間のすき間を埋める役割にも期待をしたのではないでしょうか。私はこのように考えますが、設立趣旨は一体何なのか、区の見解をお聞かせください。

役所答弁

サービス公社は、公的性格と企業的性格をあわせ持つという特色を生かしまして、時代の要請に的確、柔軟にこたえ得る区民サービスを提供するために設立され、この間、区の行政を補完しながら、地域社会の発展と区民福祉の向上に寄与してきたところでございます。しかしながら、区が出資し、区と密接に仕事をする会社とはいえ、常にその存在意義を明確にし、その実績を示しながら、株式会社として他の会社に引けをとらぬ体質の強化に取り組むなど、不断の経営努力をしなければならないものというふうに考えております。

関口発言

私が前回の第四回定例会にて質問した教育用パソコンに関しては、世田谷サービス公社からの仕入れとなっているのですが、これが不可解な契約内容になっております。教育用パソコンにはパソコン本体とそれに付随して机やいすなどの備品、什器類も含まれています。全部で二千セットを超える契約数量になりますが、その一式すべてが購入ではなく三年のリース契約となっています。パソコン本体に関しては、技術革新やその耐用性を勘案しますと、リースでも特段の問題はないところですが、疑問に感じますのが、備品、什器類までも同じくリース契約になっていることであります。つまり、これら什器類も三年ごとに取りかえることとなり、そこには当然リース更新料が発生するわけであります。耐用性のある什器類に関しては、わざわざ更新ごとにリース料を払うリース契約ではなく、購入契約にするべきでありますが、この点に関しては、来年度九月のリース契約期限切れの際、改善する旨伺っております。しかし、問題はこれだけではありません。この教育用パソコンに関しては、当初の見積もりはサービス公社の下請業者からとっていたにもかかわらず、最終契約時にはサービス公社を間に介在させ、サービス公社と契約していたことが明らかになりました。このようにサービス公社との契約には、単なる卸のようなもの、つまり、商品に何ら付加価値をつけずに右から左へ流すものや、区からの受託業務を下請業者にそのまま再委託するものが時々見受けられます。昨年に起こった簿冊紛失事件も、まさにこれを物語っているのではないでしょうか。ただの卸や再委託のような契約は、単なる税金のむだ遣い、民業圧迫にほかならないと考えます。 サービス公社との契約、特に情報関連事業の契約は一体どうなっているのでしょうか。現状は各現場の判断にゆだねられていると伺っておりますが、これを改め、契約の責任主体を明確にし、一元的に管理する必要があると考えますが、いかがでしょう、区の見解をお尋ねします。

役所答弁

現在のサービス公社との契約は、それぞれの所管課でシステム開発を行ってきた経緯や、現場での機器等の管理の実態から、大型電算機業務は別といたしまして、それぞれの所管課で契約を行ってきております。しかしながら、今日、特に区の情報化の面で大規模化あるいは高度化、複雑化する中、電子政府世田谷の実現を目指すためには、個々の所管課で対応するのではなく、区全体の視点から情報システムの統一が必要となってきております。  このことから、平成十六年度当初予算案につきましては、IT関係の予算を情報政策部門に一括して計上してございます。またあわせて、お話のありました契約などにつきましても、基本的に窓口を一元化し、責任の明確化を図っていきたい、このように考えております。

関口発言

サービス公社の平成十四年度の売上高は約六十六億円。事業別で見てみますと、施設維持管理事業で約三十三億円、コンピューター事業で約二十七億円、つまり、この二つの事業で総売上高の九〇%以上を占めているわけです。今後のサービス公社の活用を考える上で、この二つの事業内容の将来性を検討することが必要になるのです。その将来性ですが、まず施設維持管理事業に関しては、指定管理者制度が導入され、民間企業の算入が可能になれば、コストの面、そしてサービスの面でサービス公社に勝ち目があるかどうかについては甚だ疑問に感じるところであります。なぜなら、この分野の大半が単なる業務委託であるため、特に行政に精通している必要はなく、民間でも十分に担当できると考えるからであります。つまり、施設維持管理は公と民間のすき間にあるような事業ではなく、直接民間市場にゆだねて何ら問題がないということです。民間に開放することによって、区民にとっては最小のコストで最大のサービスを受けることにつながるでしょう。つまり、この分野にサービス公社の将来性を語ることは非常に難しいと考えます。  一方、コンピューター事業でありますが、この分野にこそ、私はサービス公社の活路を見出すことができるのではと考えます。つまり、区が委託するコンピューター事業が施設管理事業のように単なるアウトソーシングの受け皿だけを必要としているのであれば、そのまま民間企業に委託しても何ら問題はないでしょう。しかし、区民の情報を扱う分野において区が業務委託をする際には、単にコスト面だけではなく、個人情報の保護や情報セキュリティーなどの情報の徹底管理もあわせて考える必要があります。こういった点から、コンピューター事業においてこそ、公共的側面をあわせ持つサービス公社が活躍できるのではないかと考えます。  私は、今後さらに広がるであろうIT行政の中で、サービス公社がこの分野に力を注ぎ、行政と関連したコンピューター技術や知識にすぐれた独自の人材を育て、そして当該事業のノウハウを社内に蓄積することに力を注いでいかなければ発展は望めないし、また、そうしなければ、サービス公社の存在を区民が許さないと考えます。  そこで伺います。サービス公社の施設維持管理事業とコンピューター事業の将来性に関して、区はどのような展望を持っているのか、お答えください。

役所答弁

お話のように、サービス公社の施設維持管理事業は地方自治法の改正により、一般の民間会社との競争関係になるものというふうに考えております。しかしサービス公社は、区内業者と積極的に取引をするなど地域社会の発展に寄与してまいりました。また、コンピューター事業につきましては個人情報などを安全かつ適切に管理する必要性から区と一体となった事業展開が必要になるという部分もございます。今後は以上の点に考慮しながら、総合的にサービス公社のあり方自体を検討してまいります。

関口発言

最後に、サービス公社の経営体制に関してお尋ねします。現在の目まぐるしく変化する環境や細分化したニーズにこたえていくために、民間企業は経営者として多方面から人材を登用し、経営に役立てています。そして経営者が明確なビジョンを打ち出し、社員全員がそれを共有し、経営コストの圧縮、そして新たなサービスの創造や開発を目指すんです。では、サービス公社の経営陣はどうなっているのか。六人いる経営陣はすべて行政出身者であり、役所幹部の天下り受け皿会社と思われても仕方の無い状況だともいえます。であれば、先ほどサービス公社の設立趣旨でも触れたように、株式会社にする意味合いがどこにあるのか。私は株式会社という側面をさらに充実させ、事業の選択と集中を推し進め、サービス公社を発展させていくために、民間の経営手法こそが必要であると考えます。世田谷区には民間企業での管理職経験者や企業経験のある有能な人材が豊富ではありませんか。私は民間企業出身者を世田谷サービス公社の経営陣に登用することを提案しますが、いかがでしょう。サービス公社の大株主でもある区の見解をお尋ねします。

役所答弁

ご指摘の通り、行政に精通した人材と経営の手腕を発揮できる人材の両方が必要であります。この点に関して、十分にサービス公社側と意見を交わしてまいります。